2020.12.06

髪の毛(毛幹部)の構造

お知らせ

根岸 稔

毛幹部は巻き寿司のような構成をしており、芯の部分にある毛髄質(メデュラ)、その周りを覆う毛皮質(コルテックス)、そして表面部分を覆っている毛小皮(キューティクル)の3種類の成分によって成り立っています。
毛幹部は、18種類のアミノ酸が結合してできた、繊維状のケラチンというタンパク質によって構成されています。
毛髄質には、メラニン色素や脂肪が多く含まれており、立方体型の細胞がハチの巣状になって並んでいるのが特徴です。
この細胞は空気を貯めることができることから、髪の弾力に影響を与えたり、熱などの刺激から頭を守る働きがあります。髪の毛の太さは、毛髄質の量によって決まります。
日本人の髪の太さの平均は、細い人で0.06mm前後、太い人で0.08mm前後と言われています。

毛皮質は、髪の約90%を占める繊維状のタンパク質が集まり、束になって毛髄質の周りを覆っています。このタンパク質が多い程髪が硬く、少なければ柔らかい髪となります。
また、毛皮質はたくさんのメラニン色素を含んでおりますので、紫外線から肌を守る働きを持ち、髪の色は毛皮質のメラニン色素の量で決まります。
毛皮質は髪質に大きく依存する部分であり、タンパク質の結合状態によって、直毛か波状毛か縮毛かも決まります。
波状毛や縮毛の人の髪は先天的にタンパク質がまっすぐに結合していませんので、毛幹部を輪切りにすると、円形ではなく楕円形になっています。
髪の表面を覆っている毛小皮は、薄くて硬いタンパク質で成り立っています。
1枚のシートが円柱状に巻きついている訳ではなく、何層にもなって瓦のように重なっているのが特徴です。
毛小皮は、外部のあらゆる刺激から髪を守る役目をしており、キューティクルという名前でお馴染みの部分です。